<対談>「仲間とともに、未来の下町をつくりたい」
代表取締役 小林一雄×
業務推進グループ 小石 富美江

対談

2017年で、設立53年目を迎えるメトロ設計株式会社。創業以来、国交省や東京都、大手企業との信頼関係を築き上げ、地下鉄や鉄道新線の建設、地下インフラの企画から設計業務までを幅広く手掛けてきました。
文字通り、都市を支えてきたメトロ設計が、未来の仲間に届けたい思いがあります。今回は、2008年から同社を率いる小林社長と、人事担当小石さんとの対談形式で、採用にかける強い思いを語っていただきました。

最近、経営理念を作り直されたそうですが、なぜでしょうか。
小林:私の中で「会社がひとつになっていないのでは」という危惧があり、まず理念から変えようと考えたからなんです。以前の理念は、会社の方向性を示すには足りない部分がありました。一時期、若手や中途採用の社員が辞めてしまうことがあり、もう一度、社員の気持ちをつなぎ、ともに目標に向かえるような理念をつくろうと思いました。
半年考える間、設立趣旨書を読み返し、創業者の思いを知りました。そして、私の入社と同時に、不況の影響もあって売上が3分の1に減り、社員につらい思いをさせたこともありありと思い出しました。大げさではなく、涙を流しながらつくった理念です。今後、社員が安心して働けるよう会社をまとめていきたい。心からそう思いました。
ただ、骨子を書き上げたのは私ですが、すべての理念に“仲間”という言葉を入れたのは、社員の意見なんですよ。
小石:「社員一丸となって働いていきたい」という気持ちが、そう提案させたのだと思います。
以前、社員の方へのインタビューで社長面談の時にテストされたのに、理念を誰も言えなかったらしいと伺いました(笑)
小林:そうそう、まだ理念を新しくしたばかりのときに。でも一人だけ完璧に言えて、逆におかしいと思ったら「面談で経営理念聞かれるぞ」って同僚から聞いて暗記したみたいで(笑)
小石:ある意味、それも“仲間”と言えるでしょうか(笑)。これからしっかり浸透させて、志を共有していきたいですね
対談
苦労して書き上げた理念ですが、実際はどのような活動でその志を実現していますか?
小林:当社の根幹事業である、都市インフラの設計はもちろんですが、最近は本社のある入谷や台東区、東東京と呼ばれるエリアの活性化にも力を入れることで、実現に向けて頑張っています。
地域活性化に興味のある方は多いと思うのですが、それは、都市インフラ設計にどうつながっているのでしょうか。
小林:都市インフラは、基本的に税金で整備されています。つまり、街の税収が減ってしまうと、適切な維持管理ができません。私たちは、自社ビルの一階を「SOOO dramatic!」というイベントスペースにしました。「ワクワクみつかる、現代の公民館」というコンセプト通り、地域住民に気軽に利用され、文化活動を支援できるスペースとして街の活性化に貢献したい。地域が元気になれば、自然と税収も増えます。私たちの根幹事業も維持されることで、街をハード面からも支えられると考えています。
小石:「SOOO dramatic!」でイベントが開かれるようになってから、町会とも接点ができました。ソフト面から街のために活動することで、台東区の道路設計に関わることができるなど、本業にも好影響が出ています。
小林:実は「SOOO dramatic!」や二階のコワーキングスペース「reboot」、四階の創業支援オフィス「ベンチャーステージ上野」といった自社ビルを使った展開は、会社が危機的状況であったからこそ生まれたものです。もう10年以上も前の事ですが、当時入居していた専門学校が倒産してしまい、空いていたフロアを使い当時はまだ珍しいシェアオフィスを友人と始めたのがこのような事業を展開するきっかけとなっています。まだまだ道半ばですが、ピンチをチャンスに変えられたのかなと考えています。最近では地元愛が強くなり、さらに地域の文化を育てたいという気持ちになっています。
小石:文化といえば、先日、味噌づくりを体験したとき、すごく豊かな気持ちになったんです。伝統のあるものは誰かが続けなければ、やがてすたれてしまう。文化はすたれたら、復活させるのは難しいんですよね。
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小林:今、本業でも、いかにインフラを維持するか、適切に管理していくかを問われています。私たちは、理念で「笑顔あふれる未来環境を創る仲間」とうたっていますが、東東京エリアに残る古民家や、歴史ある小学校など、壊さず生かすことに価値を見出していきたい。そのうえで、住んでいる方々をつないで、あらたなコミュニティの構築をしたいと考えています。
では次に、会社から社員に提供できる価値について教えてください。
小石:社員の能力を伸ばすことに力を入れていると思います。キャリアや技術を磨くチャンスが多く、自ら学びたい社員には、贅沢な環境を整えています。
小林:小石さんは宅建や秘書検定、簿記など資格をたくさん取得してるんですよ。社員の顔がよく見える中小企業だからこそ、個々のチャレンジ精神を伸ばしてあげたいという気持ちがありますね。
大手企業との違いはどのようなところにあるでしょうか。
小林:月並みですが、一担当が幅広い業務を手掛けられるところは大きな違いだと思います。土木や建築業界では、大手企業はアレンジがメイン。プロジェクトのマネジメント力はつきますが、実際に設計に携わるのは中小企業なので、若手でも設計力に関しては大手に負けない自信があります。
あと、地下インフラは土木・建築の中でも特殊な世界なので、都市を支えられているという誇りをもって働けると思います。
若手社員のやる気を引き出す制度はありますか?
小林:当社で導入している「退職金ポイント制度」は、若いうちの頑張りを評価しています。より速く昇級を果たした社員は、ポイントが多くたまる仕組みです。当社は、資格取得も評価してポイントを付与しているので、早いうちに努力して資格を取得できれば、退職金額に加味されます。
小石:あと、360度考課は10数年以上続けていますね。職能スキル、マネジメント、アティチュード(業務へ向かう姿勢)という項目について、よいと思う点を全員で評価し合い、モチベーション向上につなげています。
どんな方と“仲間”になって仕事をしたいですか。
小石:一番は、明るくて元気な方ですね。技術職は機械相手の仕事も多いのですが、何か問題が起きたときにも、気軽に話し合える環境をつくろうと努めています。一緒に、社内の雰囲気をより明るくしてくれる方だとうれしいです。また、業務推進グループとしても、仕事以外で楽しい時間を共有できるような取り組みを考えています。
小林:私たちは建設コンサルタントなので、すべての仕事は関係者との協議から始まります。様々なことに好奇心を持って、コミュニケーションを楽しめる方がいいですね。
そして、チャレンジ精神をもっている方に来ていただきたいです。周りを巻き込むほどの、夢を持った技術者に会いたい。この先、インフラの維持管理にはロボットが必須になります。ロボット開発を夢見る方、ドローンなどの先進技術に夢中な方はいいですね。私自身は以前、自動車メーカーで働いていたので、まだ自動車を造ることも諦めていません(笑)。
また、特に建築部門には、女性の意見を取り入れたいという思いがあります。鉄道や土木の現場で働く女性の割合は、年々増えています。女性ならではの意見をプラスした設計が提案できたら、さらに当社の強みが磨かれるのではと考えています。
最後に、社長からメッセージをお願いします。
私たちは「未来都市、未来の下町をつくりたい」と考えています。それは、20世紀に描かれたような「機械や人工知能がすべてを担う世界」ではない。都市インフラの維持管理という重責を担いながらも、笑顔があふれる、あたたかなコミュニティを守り育てていきたいのです。
そのためには、理念に共感する仲間が必要です。都市インフラの整備に誇りを持って取り組みながら、私たちと一緒に「未来の下町」をつくりましょう。

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