水道管の老朽化と耐震化について

公開日 2023.3.23
更新日 2024.3.7
過去3回に渡って、地下インフラに関する業務や工程をご紹介して来ました。 地下インフラの中でも生活に不可欠な物の一つは水道です。蛇口をひねると当たり前のように出てくる水は、河川などの水源から取水→浄水化処理を経て給水施設や管路を通って各家庭へ分配されています。 しかし時々、水道管の破裂による浸水などのニュースを耳にすることはないでしょうか?これらの原因は主に水道管の老朽化によるもので、全国ではなんと毎年2万件以上の事故が発生しているそうです。 今回はその老朽化および水道事業が抱えている問題についてご紹介します。

老朽管の発生理由

水道の普及率は高度成長期(1955~1973年頃)にピークを迎え、当時の投資額で約6割を水道管路へ使用しました。しかし管路の法定耐用年数は40年と決まっており、その更新時期を迎えたもの(=老朽管)が現在急激に増えています。 40年を過ぎたからと言ってすぐに水質へ変化を与えたり、マイナスな現象を起こすわけではありません。しかし、次第にサビなどで腐食が進み、亀裂が入ると道路から大量の水が噴き出すため、浸水など大きな事故を引き起こします。 下記のグラフからも管路経年化率は年々右肩上がりになっている事が分かる一方、管路更新率は横ばい状態が続いているため、追いついていません。 このままのペースで進めるとすべての管路更新には130年以上かかるとされています。 地上まで水があふれ出た場合、発見はされやすいですが、どの水道管路が問題かという状況確認ができません。そこでイラストのように、聴診器に似た機械を地面に押し当てて調査をします。該当する箇所を特定するには熟練した技術が必要になります。
 

耐震化問題と断水リスク

現在、日本国内における水道普及率は約98%と言われています。 ( 出典:水道の現状と水道法の見直しについて ) 整備された水道管路や浄水施設等によって私たちは安全で美味しい水を飲むことができます。しかし、耐震化がいまだ4割未満である事から断水リスクは避けられません。 過去には多くの地域で断水被害を受けています。
  • 阪神淡路震災:約3か月(断水対象数:約130万戸)
  • 東日本大震災:約5か月(断水対象数:約257万戸)
( 出典:水道施設の耐震化の推進 ) 国や地方自治体は、今後発生する可能性の高い首都直下型地震などによる被害が最小限になるよう、水道管の耐震性を向上し、計画的に維持管理する事を目指しています。 また、東京都では、避難所や主要駅など重要施設への水道供給ルートの耐震化を、令和4年度までに完了させる予定となっています。 弊社でも、設計を通じて様々な問題解決のお手伝いをしております。   さて、次回は養蜂活動についてです。 弊社の自社ビル屋上では地域活動の一環として養蜂に取り組んでおり、「鶯谷ハニープロ」の創設に関わっています。冬眠を終えて春を迎え、本格的に活動を始めた蜂たちの様子をご紹介いたします。それでは次回をお楽しみに!
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