道路工事調整会議

公開日 2023.2.24
更新日 2024.3.7
私たちが普段街を歩いていると、都市部での渋滞がひどいイメージはないでしょうか? 物流業の成長などもあり、交通量の増加が大きな問題となっています。 しかし、渋滞の理由は単に交通量だけではありません。快適なまちづくりのためのインフラ整備や、支障移設による道路工事なども一因です。 前回のブログ(支障移設(支障移転)に関して)でご説明した通り、会議によって支障移設を行うと決定した場合は道路管理者がその費用を負担し、関係事業者は支障移設をします。しかし、費用削減や工期短縮のためには、やみくもに支障移設をすることはできません。そこで道路管理者は下記のような解決策を考えています。
  1. 共同溝の整備:各事業の埋設物を一つに集約することで維持管理がしやすく、道路工事を減少させる
  2. 道路工事調整会議:事業者と管理者間で年間工事の計画決定・調整をし、効率的に工事を行えるようにする
このうち、今回は 2.道路工事調整会議 についてご紹介したいと思います。

道路工事調整会議とは?

道路管理者と各関係事業者が集まって、他の道路工事と施行方法や工期調整を行います。 1年のうち数回にわたって話し合いをし、今後の計画など、双方の認識にずれがないようにする大事な会議です。

道路工事調整会議の流れ

道路工事調整会議を行うにあたり、道路管理者は各事業者に図面や調書の提出を依頼し、そのすべての書面の取りまとめます。それらをもとに工期や施工方法の調整を行い、道路工事調整会議を開催します。 各事業者は、道路管理者に依頼された図面や計画書等の作成を行い、他社工事計画の情報を確認した上で、道路工事調整会議へ参加します。 当社では、道路管理者と一緒に道路工事調整会議の資料作成や運営補助等を行っています。
道路工事調整会議の流れ

道路工事調整会議がもたらす効果

このように、念入りな準備・やり取りを重ねて会議が進められていますが、どのような効果をもたらすのでしょうか?
  • 【無駄な掘り返しを防止】 頻繁な掘り返しに伴う交通渋滞や道路損傷を防いでいます。 “掘削抑制措置”という規制により、道路舗装工事完了後、車道は3~5年間当該箇所の掘削ができないようになっています。
  • 【工期短縮】 同じ区間内で電気、水道、ガスなど複数事業者の工事が必要な場合、各事業者が同時期に連続して施工する事で全体の工期を短縮できます。 例) 電気A社、水道B社の掘削同一箇所内において、A社の工事が完了後、復旧作業をすることなく連続してB社が施工する事で全体の工期が短縮。
しかし現状、会議開催に至るまで大量の書類確認や準備などが両者間の大きな負担となっています。 この問題解決策として、DX化を図っている企業もあります。書面をとりまとめることなくデータをシステムに入れる事で、最新の情報を共有しながらリモートで会議を行う事が出来ます。 スムーズに会議が進むことで、多方面に目を向ける事ができ、更なる良い街づくりに繋がるのではないでしょうか。   さて、次回は「水道管の老朽化」についてです。 高度経済成長期に大量に投資された水道管路ですが、漏水や破裂などの事故が絶えません。 また、今後迫っている首都直下型地震など、防災面からも深刻な問題を抱えています。 それでは次回もお楽しみに!
私たちメトロ設計の建設コンサルティングサービスでは、60年にわたる経験を生かし、現地調査、計画、設計等の支援を行ってきました。

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