どうなる?無電柱化 ~より加速させていくためには…これからの取組~
今後の課題・取り組み
前回のブログでご紹介したように、電線管理者分のコスト削減も併せて行う事で、更なる電線共同溝整備全体のコスト削減や、それによる整備ペースの加速につなげる事が期待できます。 その目的を果たすため、東京都は電線管理者への技術開発促進を行っています。 下図のように、地上機器のコンパクト化・街路灯一体型変圧器など技術の発達によって、区市町村道のように幅員が狭く、これまで無電柱化が困難であった場所での整備を可能にする事を目指しています。- ブロック会議の活用 道路、交通、区市町村および電線管理者等から構成される地方ブロック無電柱化協議会等を活用し、無電柱化の対象区間や推進調整を実施する。
- 道路工事調整会議の活用 1年に複数回行っている道路工事調整会議によって同一区間で施工時期が重ならないよう調整し、埋め戻しの回数削減・掘り返しの抑制をして工期とコストの削減を図る。
- 電線管理者への財政支援 島しょ地域では電線共同溝方式に限らず、電線管理者による単独地中化方式など様々な方式で整備が考えられるため、行う場合は電線管理者への財政支援を国に求めていく。
- 無電柱化に合わせた信号機用ケーブルの地中化 交通管理者と協力して無電柱化・信号機設備の工程管理を行い、電柱の速やかな撤去を図る。さらに、既に無電柱化整備済みの路線内で信号機用ケーブルが残っている場所では路面補修に合わせて管路の用意等を行う事で、ケーブル地中化を進めていく。
- 既設橋りょう部における架空線 橋りょう部の一部では、架橋時に比べ電力・通信等の需要が増加したことで新たな電線類を架空方式で補っている場所がある。そのため橋りょう部の前後区間で無電柱整備が進められた場合、橋りょう部の区間のみ電線が残る可能性がある。 よって、無電柱化整備がされる際、追加添架や別ルートを検討・対応しながら、困難な場合は橋の架け替え時に架橋する等の検討を行っていく。
- 新設電柱を増やさない
- 徹底したコスト縮減を推進する
- 事業の更なるスピードアップを図る
- 都道(第一次緊急輸送道路・環状七号線内側エリア・主要駅周辺):1,067km
- 国道:62km
- 区市町村道:278km
まとめ
5月から8月まで、無電柱化についての記事を全7回投稿してきましたがいかがだったでしょうか? 普段から生活風景の一部となっている電柱ですが、地震による倒壊や、交通事故等で追突すれば命を失いかねません。無電柱化整備が完了している地区や道路などを通ると、きれいで見通しが良く、安全性が高く感じます。 しかし、都道の整備対象全線での完了目標は2040年代を目指しており、少なくともあと15年以上は必要です。加えて、整備が進んでいない幅員が狭い道路や市区町村道はより年数がかかる事が考えられます。 今回、無電柱化に関して記事を掲載するために、自身で全体の概要や問題等を調べたところ、その工期と費用の膨大さに大変驚きを感じました。 無電柱化を行いたいと言ってすぐにできるものではなく、まず設計を行い、そこから支障移転などを経て電線共同溝の整備工事に入るという重要な工程があります。しかし、それに伴う作業の多さや、工事にかかる多額の費用や期間が整備ペースの加速を抑えてしまうという事実が非常に悩ましい問題だと感じます。 これまでに紹介した無電柱化加速化戦略による取り組み(狭い都道での無電柱化が可能となる技術開発、またブロック会議・道路工事調整会議など)を活用していくことで現在の整備ペースを加速させ、その結果、今後無電柱化が行われる箇所の増加ができるという好循環が見込めます。 私たちのより安全・安心で暮らしやすい生活のために、今後も無電柱化への取り組みに注目していくことが必要です。 さて、次回は当社ビルの2Fにあるシェアスペース「reboot」のご紹介をします。 モノづくりが好き、クリエイティブで多彩なアーティストの方々が集まる場になっています。一体どんなスペースなのでしょうか?次回をお楽しみに!
私たちメトロ設計の建設コンサルティングサービスでは、60年にわたる経験を生かし、現地調査、計画、設計等の支援を行ってきました。
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長年の知識を生かしたマネジメントで、住民の方と施工事業者との架け橋となるような、建設コンサルタントを目指しています。
無電柱化や電線共同溝、道路、上下水道、地下鉄など、地下インフラの整備は弊社へお任せください。どうぞお気軽にご相談くださいませ。
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